電子手帳シャープPA-360
暇つぶしに近所のリサイクルショップを覗いていたら少し珍しいものを見つけた。
商品のラベルは「電卓」と書いてある。
0から9の数字と四則演算とその他の計算に必要なボタンが付いてることから、電卓であることは間違いないだろう。
しかし、他にも付いてるボタンや上部の型番(PA-360)の横に印された緑色のステンシル「TEL & SCHEDULE」が、ただの電卓ではないことを示している。
そのとおりこいつはただの電子式卓上計算機ではない。
かつては一時代を築きあげたが、紙の手帳というオールドな紙とペンの黄金コンビによる逆襲と、PDAやスマートフォンのハイテク電子化によって放逐された今は失われしビジネスアイテム、シャープのPA-360―「電子手帳」―というものである。
諸性能
操作方法
この電子手帳には3つのモードがある。モードは「切換」を押すごとに電卓モード→電話帳モード→スケジュールモード→電卓モード、と切り換わる。
電卓モード
「C」によって電源を入れたときに最初に起動するモード。
使用方法は一般的な電卓と同様である。
電話帳モード
電卓モードのときに「切換」を押すことで電話帳モードに切り換わる。
ディスプレイ左側の黒電話アイコンが点灯し、ディスプレイには『NAME?』と表示される。
連絡先名には12文字、電話番号は12桁が登録可能。
連絡先を見る
ディスプレイに『NAME?』と表示されている状態で、呼出の「/\」と「\/」を押すことで見ることができる。
連絡先を追加する
ディスプレイには『NAME?』と表示されている状態で、テンキーを押すことで入力することができる。
テンキーの英字と数字の切換は「数⇔英[A]」で、カーソルは「CM」「RM」「M-」を押すことで操作できる。
「入力」を押すことで、入力した連絡先を電話帳に追加できる。
連絡先を編集する
連絡先を見ている状態で、「CM」「RM」「M-」を押すことで編集できる。編集した連絡先は「入力」を押すことで保存できる。
連絡先を削除する
連絡先を見ている状態で、「CE」を押すことで『DELETE?』とディスプレイに表示されるので、その状態で「入力」を押すと削除できる。
連絡先を検索する
ディスプレイには『NAME?』と表示されている状態で、テンキーで検索したい連絡先名あるいは電話番号の一部を入力して、呼出の「/\」と「\/」を押すことで検索することができる。
見つからない場合は『NOT HOUND!』とディスプレイに表示される。
スケジュールモード
電話帳モードのときに「切換」を押すことでスケジュールモードに切り換わる。
ディスプレイ左側のカレンダーアイコンが点灯し、ディスプレイには『-DATE--TIME-』と表示される。
スケジュールは日付時刻と要件(12文字)の登録が可能。
スケジュールを見る
ディスプレイに『-DATE--TIME-』と表示された状態で、呼出の「/\」と「\/」を押すことで見ることができる。
スケジュールを追加する
ディスプレイには『-DATE--TIME-』と表示されている状態で、テンキーを押すことで入力することができる。
テンキーの英字と数字の切換は「数⇔英[A]」で、カーソルは「CM」「RM」「M-」を押すことで操作できる。
「入力」を押すことで、入力した連絡先をスケジュールに追加できる。
スケジュールを編集する
連絡先を見ている状態で、「CM」「RM」「M-」を押すことで編集できる。編集したスケジュールは「入力」を押すことで保存できる。
スケジュールを削除する
スケジュールを見ている状態で、「CE」を押すことで『DELETE?』とディスプレイに表示されるので、その状態で「入力」を押すと削除できる。
スケジュールにチェックを付ける?
スケジュールの日付時刻を編集している状態で「・」を押すと日付時刻の一番左に「゜」を付けることができる。
シークレット
パスワードで秘匿可能な連絡先とスケジュールの登録空間を作成することができる。
パスワードを設定する
パスワードが未設定の場合、電話帳モードまたはスケジュールモードで「シークレット」を押すと、ディスプレイに『PASS WORD?』と表示され文字の入力を求められる。
入力後、再び「シークレット」を押すと入力した文字がシークレットのパスワードになる。
シークレットの電話帳とスケジュールを表示する
電話帳モードまたはスケジュールモードでテンキーで設定したパスワードを入力し、「シークレット」を押すと、ディスプレイの鍵アイコンが点灯しシークレットのものを表示することができる。
操作方法は非シークレットと同様。
パスワードを変更する
電話帳モードまたはスケジュールモードで、シークレットのパスワードが表示される(パスワードとディスプレイの鍵アイコンが点滅)ので、「CM」「RM」「M-」を押すことで編集できる。編集したパスワードは「シークレット」を押すことで変更される。
リセットについて
裏にリセットボタンがついており、それを押すことで...と書いてきたが当時は本当に売れたのかコレ?ディスプレイに『RESET OK?』と表示され、「入力」を押すことでリセットができる。
ただしリセットには2段階あり、シークレットのパスワードを設定している場合にリセットボタンが押されたときはパスワードとシークレットのデータが、未設定の場合は全データが消去される。
触れた感想
玩具ですね。
昔はおそらくまーまーのビジネスアイテムとして重宝されたかもしれませんが(触っていると今と同様に当時の年配の方からも白眼視されてたかも)、しかしスマートフォンやパソコンを溢れた現在では子供向けのオモチャになるのも難しいアイテムになってしまっている。
また、セーブ用の電池と駆動用の電池が共通のため「電池が切れればオールクリア!」と仕様になっており、意外と当時も使いづらかったのでは…と思える。シークレット機能は上手く使えば紙の手帳などには無いメリットを見いだせるかもしれないけど思いつきません。浮気相手の連絡先を隠すためとかには使えるかも。